ちょっと大風呂敷広げます。

和楽器・邦楽器を使う音楽は色々な文脈であります。

まずは、古典。
これは基本の、大元ですね。
まずは押さえるところ。

そして次に、現代的な試みとしては、
武満徹のノヴェンバーステップのような
西洋クラシック音楽の文脈からなされた現代音楽。

また、宮城道雄先生や吉田晴風先生の邦楽人が提唱した新日本音楽・現代邦楽があります。

それらとは別の
いわゆる芸術的な音楽とは別の
普通に聴ける音楽とでもいいましょうか、
ノレる、踊れる、楽しめる、
ひと昔前のいい方だと、車に積める音楽、
今風には、スマホにいれてランニングしながら聴ける音楽があります。

代表的には、
津軽三味線、上妻宏光さん、吉田兄弟さん、
雅楽だと東儀秀樹さん、
尺八だと藤原道山さん、
和太鼓 鼓童さん、
トンコリだとOKIさん
三線だと、よなは徹さん

でしょうか。

このジャンル、
お気づきでしょうか、名前がないんです。
「邦楽ポップ」「邦楽ロック」などといわれたりしますが、
和楽器を組み合わせる側がポップやロックではないときには使えない。
「邦楽エンターテイメント音楽」も、
長い。浸透してない。
あと、「邦楽」が、「洋楽」の対義語として、
広く日本のアーティストの音楽としても使われるので、
紛らわしい。

だもんだからレコードショップいっても、
見つからない。
ワールドミュージックのコーナーに
ホーミーとかガムランとかの、世界のトラディショナル音楽と同じ列に並んでたり、
ときには演歌コーナーにあったりする。

これ、なんとかならないか、
と長年考えていたんですよ。

ロックにしても、パンクやメタル
ジャズではアシッドジャズ、モダンジャズ、
他にもスカ、レゲエ、ハウス、テクノ、ヒップホップと

当たり前ですが、ジャンル名ありますよね。
仮にそのジャンルにはバチっとハマらないものでも、
まずは枠があると、リスナーが食いつけますし、
枠からはみ出る音楽の楽しみもできる。
ジャルジャルの漫才も、漫才の枠があるからこそ斬新ですし、
中川家の王道漫才としての楽しみもハッキリするんです。

そこで、
ってココからが笑ってしまいそうですが、

不肖ワタクシ、このジャンルの名前を考えました。

いや、端も端の、
たとえば上妻宏光さんや吉田兄弟さんが太陽だったとして、
そこから遥か冥王星よりも果ての、
もはや太陽光が届かない惑星軌道から外れたところから、
何を提唱しているんだ、
という話なのですが。

しかし、
東儀秀樹さんがデビューして
上妻宏光さんがカローラのCMに出て、
吉田兄弟さんの新譜が渋谷のスクランブル交差点のモニターに映されてから、

もう20年経とうとしているんですよ。
20年。
しかし、未だにこれらの音楽を総称する
ジャンル名がない。
これ、よく考えると、
アーティスト本人は提唱しづらいんですよ。
彼らはまさに「自分の音楽」をしているので、
その音楽のジャンルがどう呼ばれるかは気にしないわけです。

そこで、
仕方がないんで、
名付けてよいでしょうか。

ということで、考えてみる。

まず、短くないといけないのです。
Rock Jazz Reggae Ska Techno
アルファベット4文字から、多くても8文字ぐらいでしょうか。

あと、「J」付けたくないんですよ。
Jポップとか、Jロックとかありますが、
少なくとも日本音楽を起点に始まっているジャンルなので、
「J」とか「邦楽」とか敢えてつける必要はない。

それでいて、
海外の人がみても、日本音楽と
イメージが湧いて欲しい。

更に、
沖縄音楽やアイヌ音楽の現代的な試行も、
包摂したい。

うーむ、何がよいか。

というところで、
「SAMURAK」
サムラク
侍楽

どうでしょう。
いや、ちょっと待ってください。
ちょっと他のページに移動する前に
どうか拙者の話を最後まで聞いて頂きたい(「切腹」の仲代達矢風)。

まず、
やはり海外の方には
「サムライ」はブランドなのです。
三味線琵琶篳篥は知らなくても
「サムライ」は知ってる。

そこは、お力を借りたい。
サムライの音楽、侍楽。

あと、この「SAMUR」(サム)は
Samurai サムライのサムだけでなく、
Samureh「サムレー」のサムでもあるのです。

サムレーとは、琉球王国における武家、
ヤマトンチュの侍にあたる言葉でしょうか。

サムレーは、侍が刀を脇に差している替わりに、
三線(蛇皮の絃楽器)を身につけていたのです。

これ、カッコいいですよね。
「ペンは剣よりも強し」ではないですが、
「音楽は剣よりも強し」

このサムレーの価値観もお借りしたい。
あと、日本音楽とは、
和人やヤマトンチュだけの音楽ではないのです。

まず、三味線は琉球の三線や大陸の三絃から発展した、
といわれています。

すると、
日本音楽の音階の一つの都節音階は、
八橋検校が三味線音楽の半音階を筝に用いたことで広まったといわれますので、
今日の日本音楽は琉球の伝統楽器である三線からのバトンなくしては語れない。

また、薩摩琵琶や筑前琵琶の、柱の高い琵琶も、
実は三味線の影響を多分に受けたものです(「日本の伝統芸能講座・音楽」414頁)。諸説アリ
琵琶も三線、三味線のバトンを受け継いだといえます。

以上のように、
琉球音楽抜きには、
日本音楽を語れないほどの影響があります。

次に、アイヌ音楽についても影響は大きいです。
ゴジラの映画音楽の作曲家としても知られる伊福部昭氏。
あの短いパッセージの反復繰り返すトランス的な音楽は、
アイヌ音楽の影響があると氏が語っています。
このように、アイヌ音楽も近世、近代にかけて、
日本音楽の中で多くの交流があったといえます。

そこで、
このサムレーを兼ねる「サム」には、
日本音楽が、多くの音楽文化を要素として成り立っていることの、
畏敬を込めたい、と、考えてます。

SAMURAK は、和人やヤマトンチュだけのジャンルでなく、
様々な音楽文化を包摂したものて、
考えています。

さて、
ということで、
ジャンル名も決まったので笑、

早速SAMURAKを聴いて
北海道から沖縄までヘビロテします笑